これから注文住宅の購入を検討されている方に、体験談によるアドバイスです。
自分は建築関連の仕事をしていますが、住宅(持ち家)の購入を口にしたのは妻からでした。
きっかけは新聞の折込みチラシにあった住宅の記事で、内容は不動産屋さんの提案する仕様で建てることで費用を抑えるものでした。
以前からアパート暮らしに不満があった妻はすぐに飛びつき、その日のうちにその不動産屋に話を聞きに行っていました。
自分も建築の仕事をしていますので、当然持ち家には憧れはあり自分で設計をして建てたいという夢もありましたが、普段から負担を掛けている妻の言葉を無視する事も出来ず、持ち家の購入に向けて動き出しました。
不動産屋さんと打ち合わせを進めるうちに、自由にならない間取り・安価な建材に対する妥協できない思いが強くなり、結局その不動産屋さんでの住宅の購入は見送りましたが、一度火のついた持ち家への思いは収まらず自分も本気で動き出しました。
まず、土地探しと並行しながら自分らなりの間取りを考えていきました。幸いにも仕事がら相談できる人が近くにいてくれたおかげで、設計事務所の方を紹介していただく事ができました。
その後希望の地区で安価な土地が見つかり、本格的に間取りの打ち合わせを進めていく事になりました。
自分たちの要望は、
① 使い勝手を優先したシンプルなもの
②デットスペースを作らずに空間を広く感じれ、収納量を確保する
③2階にもWCを設ける
③住宅の性能は確保しながら、高価な建材は使わない
④外構は最低限にとどめ視線が気になれば植栽をする
予算も限られていましたので、以上のことをふまえて小さいながらも窮屈さを感じず、なおかつ収納量を確保できることが要望でした。
特に注意したことは、いかに居室以外のスペースを最小限に抑えるかという事で、廊下スペースをなくすかにこだわりました。
玄関からリビング、リビングからWCなどのように移動する為だけの空間ではもったいないと感じ、リビングに取込むように工夫しました。
リビングから直接WCや洗面所などへアプローチは、お客さんが来られた時、家族間でもプライバシーなどの観点から嫌がられる方が多いと感じられますが、そこは目隠しの間仕切りや高さのある腰壁などで緩やかに視線をさえぎることで、数字の広さよりも開放感を感じることのできるリビング空間にすることが出来ました。
目隠しの為の間仕切りや腰壁にもニッチを設け写真を飾るなどの機能を持たせることで、単なる目隠しではなく生活を豊かにするアイテムになります。
もう一つ良かったと思う点は、2階にもWCを設けたことです。ひとつあれば十分と思われるかもしれませんが、WCを使うタイミングがかさなったり、一人が使うと不思議と自分もしたくなるもので良く子供がケンカをしていましたがそういうこともなくなりました。一番良かったと思う瞬間は夜にWCに行きたくなった時で、1階まで降りなくてもよい事です。
自分たちでも間取りのや空間の使い方を検討していましたので、設計の方とのやり取りもスムーズにいき、理想の住宅への青写真を具現化していくとても楽しい時間でした。模型を作製して頂くなどし、施工までに完成形をしっかりイメージできたことで工事中も大きなトラブルもありませんでした。
間取り以外では、細部の収まりや化粧材の選定などは設計の方にすべてお任せ状態でした。気になるものばかりをある物を集めてきても、ごちゃごちゃしてしまってまとまりのない空間にならないように、あえてお任せにしました。おかげで夫婦間でのイメージの違いなどによる喧嘩もなく、心地よく過ごせています。